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島嶼看護

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あいさつ

あいさつ

沖縄県立看護大学学長
野口 美和子
 本日は、沖縄県立看護大学大学院GP島嶼看護の高度実践指導者の育成の国内のシンポジウムにお集まりいただき、ありがとうございます。宮古島副市長様、そして沖縄県看護協会宮古島支部長様には、お忙しい中ご臨席いただきましてありがとうございます。そして、本日のシンポジストをお引き受けいただきました佐久川先生、山崎先生、安谷屋先生、そして玉城先生、誠に有り難うございます。この教育取り組みは学部GP、島嶼環境を生かして学ぶ保健看護の教育実践とともに、島嶼県沖縄が開設しております県立看護大学がその責任を果たすべく取り組んだものでございます。沖縄県立看護大学はその開設、基本計画において、既に島嶼看護の教育研究をすることが明記され、県民に約束されておりました。開設後10年の間、学部では島嶼保健看護の講義が行われ、また、一部でございますが、島嶼での実習も行ってきました。島嶼看護に関する研究も各領域で取り組まれておりました。しかし、それは十分に組織的、意図的だったとは言いがたいものでございました。沖縄県は有人離島の数がいちばん多い県でありまして、また、県自体が島でございます。何よりも、日本国も列島から成っております。そして、日本は沖縄を経由いたしまして太平洋諸島に連なっております。ですから、沖縄の文化はアジアの島嶼文化の性質を持っております。あらゆる分野でグローバリゼーションが進行する今日、島嶼看護学を追求することは日本にとっても、また世界にとっても大変必要なことでありまして、沖縄県立看護大学はその責務を負うものであると考えたものでございました。
 そこで、島嶼看護の人材育成を通して島嶼看護学を実践的に追求する計画を立てました。そして、島嶼看護の人材育成を実践できる島を考えたとき、それは宮古島をおいてほかにないと思いました。宮古島は沖縄県立看護大学のある本島から遠く離れており、費用もかかり不利ではありましたが、島の人々は温かく、お互いに助け合う力があります。そのことを私どもは研究を通して、また、トライアスロン等の行事に参加させていただきまして理解しておりました。何よりも島のことを考え、活発に活動されておられる保健医療職の方々が大勢おいでになりました。宮古島市はじめ宮古島にある保健所、県立病院の関係の方々はもとより、看護協会、そして社会福祉協議会、そして保健業職のOBの方々、何よりも大勢の島の方々のご支援を得て、3年間力いっぱい取り組んでまいりました。
 とはいいましても、看護の高度実践指導者の育成としての大学院での教育でございますので、目に見える成果はおいそれと出るものではございません。しかし、この取り組みで入学いたしました修士の学生2名が島嶼での看護実践を通して論文を作成することができました。論文審査はこれからでございますが、とてもうれしく思っています。他の大学院生も宮古島での研究を進めております。高度実践指導者の育成、つまり看護学の大学院での人材育成の過程で、私どもも教員も学生とともに学びました。このGPは人材育成と同時に島嶼看護学の確立も目指しておりました。ですから、教員も学びつつ教えるという状況でございました。その間、宮古島の諸先輩から学び、また、直接指導していただきました。
 日本ルーラルナーシング学会、そして日本文化看護学会、その他の学会にも参加、発表し討論いたました。また、グアム、テニアン、サイパンに出かけ、実習し、世界のルーラルナーシング関係の学会でも学びました。本日はその経過をご報告いたしますとともに、常に私どもに寄り添いご指導いただいた方々をシンポジストとしてお招きし、私どもの取り組みの意味を客観的にご教授いただくことになりました。本日のシンポジウムの結果は、このGPの終了を受けまして、本学大学院先端保健看護学分野の中に島嶼保健看護の領域を設け、その中で引き続き取り組んでまいります。と同時に、宮古島市、宮古島市社会福祉協議会、県看護協会宮古支部、そして地元ボランティア宮古の会、県立の宮古病院、宮古島市保健福祉部と保健所と私ども県立看護大学とで組織いたします島嶼保健看護研修研究協議会というものをつくりまして、ここで引き受けていくという計画を立てております。どうぞ忌憚のないご意見をくださいますようお願い申し上げます。無事、本日のシンポジウムにこぎつけることができましたこと、とてもうれしく皆様のおかげと心より感謝申し上げております。今日はありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

あいさつ

宮古島市市長  下地 敏彦
 本日、沖縄県立看護大学大学院主催の島嶼看護の高度実践者の育成プログラム国内シンポジウムが、ここ宮古島市で開催されるにあたり、一言ご挨拶申し上げます。離島県の中の離島であります本市にとりまして、地域医療を担う医療人材の確保、ならびに看護の高度実践者の育成定着は市民の健康や生命を守るための行政にとって大変重要な課題でございます。このような状況の中、県立看護大学が平成20年度から3年間、文部科学省の助成金を受け、大学院分室を県立宮古病院内に設置し、島嶼看護の高度実践者の育成プログラムを島嶼の看護活動と多職種連携活動を担う高度実践指導者、実践教育指導者の育成を目的に展開されましたことに対し、心から感謝申し上げます。同プログラムが宮古地域で取り組まれた理由は、他の地域と比較しまして、多職種との地域連携活動や共同研究、ならびに大学との共同研究が実際に行われていることの地域として選定されたとのことであり、島に住む我々としましてもこれまでの関係者の努力に敬意を表したいと思います。大学院が設置されたことで島内での仕事を継続しながら大学院で学ぶことが可能となりました。修了者が将来、島嶼看護のリーダーに育ち、次の学生や地域の看護師との牽引役に成長していくことを期待しております。本市といたしましても、分室の設置が継続され、リーダー育成が持続可能なものとなるようご協力させていただく所存でございます。結びに、このシンポジウムが全国からのシンポジストや参加者をお迎えして盛会に開催され、本市の将来にとりましても有意義なものになりますよう祈念申し上げご挨拶とさせていただきます。

 

あいさつ

沖縄県看護協会地区理事
奥濱 杖子
 平成20年度文部科学省採択、組織的な大学院教育改革推進プログラム島嶼看護の高度実践指導者の育成を目指して、宮古島市に大学院が開講し、働きながら学ぶチャンスが与えられました。実践指導者の少ない島嶼においては願ってもないことであり、画期的なことでありました。また、同時に看護大学学部の老年、成人の実習生を受け入れることになり、慣れないことばかりで右往左往しましたが、民泊や移送ボランティア活動をはじめ、各関係機関、施設での実習受け入れ体制が整い、昨日のシンポジウムでその成果報告が出されたことは大変喜ばしいことであります。島嶼だからこそ、宮古だからこそ、島ぐるみで将来看護職のリーダーとなっていく後輩の育成に取り組むことができ、また、このプログラムのおかげで地域全体の連携協働がさらに深まったと思います。育てつつ、育ててもらったという感謝の気持ちでいっぱいです。きょうのシンポジウムで、シンポジストの皆様の貴重な提言を受け、今後の継続した活動に生かされることを期待するとともに、きょう会場に参集してくださった皆様のご健康とご活躍を期待して、簡単ではありますが私の挨拶といたします。

 

 

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